ドラマシリーズ「First Love 初恋」(Netflix)で大ブレイクした木戸大聖が映画初主演を務める青春バトルホラー映画『先生!口裂け女です!』が7月7日に公開される。
主演の木戸が演じる高校生が盗んだ原付の持ち主が、文筆業やアクションでも活躍する女優、屋敷紘子が演じる口裂け女なのだ。
韓国でアクションを学んだ経験を持つ屋敷が演じる口裂け女の「青春」とは。革ジャンにブーツ姿のまったく新しい口裂け女像と、それを演じる屋敷の心構えについて聞いた。
屋敷紘子インタビュー
――今回の映画のみどころは。
屋敷紘子(以下、屋敷):ひとつはアクションです。ホラー一辺倒な映画じゃなくて、面白いんですよ。
ドラマもアクションもあって、どんな角度でも見るべき要素があります。ホラー好きはもちろん、ホラーが苦手でも、アクションだったり青春だったり、癒される部分もあって絶対楽しめると思います。特殊メイクがお好きな方にも見てほしいです。
それと、「First Love 初恋」がお好きだった方にはぜひ見てほしい! とにかく木戸くんたち主演3人の頑張りでできている映画なんです。
――屋敷さんは韓国でアクションを学ばれたんですよね。
屋敷:お芝居が昔から好きで、高校卒業後にイギリスの演劇学校に自力で入学しました。帰国してからは自主映画からキャリアを始めて。
演技の仕事をする中でアクションに出会い……アクションが楽しいなと思っているところに、韓国映画ブームが起こったんですね。韓国映画があまりにも面白いので、なんで面白いのかを知りたいと思って留学しました。
言葉はできないけどアクションならできるから、とにかく行ってみようと。この時も自力で調べて、老舗のアクションスクールに入学したんです。
――今日まで続く韓国ブームの最初期ですね。
屋敷:今はドラマが人気ですが、昔から映画も盛んです。学校も増えましたね。
――なぜ面白いかの答えは見つかりましたか?
屋敷:日本では俳優になる勉強をする機関があまりないんですよね。養成所に入る人もいるけれど、いきなり役者になって事務所に所属する人が多い。
一方、韓国の俳優は学校できちんと学んでから始めるのがセオリーなんです。プロになる前に受けるべきカリキュラムができあがっていて、それを通ってきた人たちは気概が違うなと感じます。体を動かすのも表現の一部なので、アクション俳優に限らず鍛錬もしっかりしています。
アイドル扱いされるような、カワイイ~!キレイ~!という感じの女優さんでも吐くまで練習されているんです。責任感をもってプロとして挑んでいるなと。
――全員に基礎力があるから表現力が底上げされているんですかね。それは今回の口裂け女にも生かされていますか?
屋敷:口裂け女役では特に生かされている気がしますね。韓国にいって、意識の根底が変わったんです。「できないって言いたくない!」と思うようになって。
今回の撮影ではスケジュールもタイトな中、アパートの2階から飛び降りるアクションもあって。1日のうちに10回ほど実際に飛び降りました! でもできないとは言えない、とにかくやってみる。……ただその一方、事故が起こらないように自分の力を把握して判断することも必要なんです。
――覚悟ですね!
屋敷:韓国の映画ではミドルエイジの女優がアクションで大活躍しています。だから私も「負けないぞ!」と今回も人をたくさん殺しました(笑)。
――そんなに! やっぱり口裂け女怖いですね……。
屋敷:はい、今回の口裂け女はひたすら強い! 強さ指数がめっちゃ高い女です! 攻撃力もルックスもトガっていて、なかなか描かれない女性ですね。
――印象的なシーンは。
屋敷:なんといっても高校生3人が口裂け女に出会ってしまうファーストインプレッション。決して交わることのない人々の接点が生まれて……
――強すぎる口裂け女とDKが……。
屋敷:でも彼女が高校生と出会って「この口裂け女がこんなになっちゃうんだ?」という面白さがあるんす。
――意外と青春ドラマなんですね。
屋敷:そうなんですよ。私も怖いのは苦手ですが(笑)青春が大きいキーワードで怖くても楽しめますよ。基本的には高校生たちの青春だけど、口裂け女にとっても青春なのかもしれないな、と思います。
(取材・文・写真=グラッチェ編集部)
映画公式サイト⇒https://kuchisake-onna.jp/
2023年7月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、 新宿シネマカリテ 他 全国ロードショー
監督:ナカモトユウ
出演:木戸大聖/黒崎レイナ/上野凱/里々佳/和田雅成/六平直政/大迫茂生/屋敷紘子 他
配給:エクストリーム
悲劇と復讐のヒロインは、伝説の最凶魔女だった
70年代後半「口裂け女」都市伝説が日本列島を駆け巡り、 子どもたちは恐怖におびえて社会問題にまで発展した・・・。 あれから半世紀、コロナ禍を経て、多くの人々が今もマスクで顔を隠す中、 あの伝説がまったく新しい姿でスクリーンに蘇る―。