【磯原杏華インタビュー】ロボとラブの特撮アクション映画『超伝合体ゴッドヒコザ』

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磯原杏華さん

磯原杏華出演映画『超伝合体ゴッドヒコザ』

 人気アイドルグループ・SKE48で活躍していた磯原杏華がおバカ映画の巨匠と言われる河崎実監督の話題作に出演し、女優への階段をまた一歩駆け上がった。

 今回、磯原さんが出演した『超伝合体ゴッドヒコザ』は、愛知県のヒーロー・大久保彦左衛門の子孫が男女合体ロボットに変身し、宇宙人に立ち向かう姿を描いた特撮アクションラブコメディだ。

【映画『超伝合体 ゴッドヒコザ』公式サイト】

 出演陣も磯原さんをはじめ地元愛知県出身者が固めた愛知県愛溢れる作品となっている。

 磯原さんはメガネっ子の新人研究員・音無優里亜役を好演し、主人公の大久保忠雄(八神連)と同僚の芳樹(南翔太)と恋の三角関係に発展するなど見どころが多い作品となっている。

 そこで大活躍した磯原さんにSKE時代の話や『超伝合体ゴッドヒコザ』の話をたっぷりと聞いてきた!

【磯原杏華(いそはら きょうか)】
生年月日:1996年8月8日
出身:愛知県
身長:167センチ
趣味:読書、映画鑑賞、人間観察
特技:クラシックバレエ(4才〜12才)、空気椅子
資格:秘書検定準一級
Twitter@isoharakyokaBOX
Instagram@isoharakyoka_box
YouTube「磯原杏華【きょん】」

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磯原杏華インタビュー

――磯原さんはアイドルグループのSKE出身ということは有名なんですけど、そもそもSKEに加入したきっかけはなんですか?

磯原杏華(以下、磯原):もともとはお芝居がやりたくて、いろんな事務所のオーディションを受けていたんですけど、なかなか受からなかったんです。そこでSKEは地元(愛知県)で活動できるから親が応募したんです。

 私はそのことを二次審査の面接の知らせで初めて知ったんです。私自身はアイドルに全然、興味がなくて、アイドルをやりたい気持ちも全くなかったんです。

 「これはどうしよう!」と思いながらも、せっかく面接に通ったんだから行ってみようと思い、審査に行ったら受かったので、せっかくならアイドルをやろうと思い始めました。

――いま芸歴がすでに13年ほどですので、その頃は何歳ですか?

磯原:12歳です。

――その年だとアイドルに興味を持つ年頃ですよね。アイドルになりたいとは思っていなかったんですか?

磯原:全く思っていなくて、それよりも女優になりたくて、お芝居がいいと思っていたんです。ドラマを観るのが好きだったのでお芝居がいいっていう考えが根底にあったんです。

 実は歌もダンスも苦手だったし、ダンスは踊ったこともなかったから、そんな自分がアイドルをやれるとはそもそも思ってもなかったので、アイドルの選択肢はなかったんです。

 でも、SKEというきっかけがあったので始めてみたんです。

――12歳くらいだと、SKEからドラマや芝居の道が開けるという考えもなかったですか?

磯原:はい。でも、SKEはグループに「夢が叶う場所」というキャッチコピーがあったので、ここに入ったらドラマに出られるかと思ったら甘い世界ではなく、全然出られなかったんです。

 ドラマのオーディションも受けられなかったので、SKEにいたままだと結局、お芝居もできないと思い卒業しました。

――でも、アイドル活動は充実していたんじゃないですか?

磯原:最初は研究生スタートだったので全然派手なことはなくて、学校が終わったらレッスン場に行って振り付けを覚えて、先輩の立ち位置を覚えて、いつでも出られるようにしていかなきゃって、こつこつと地道な練習をしていました。

 そこからチームに入れて、選抜に入れて、歌番組にアンダーで出られるようになって、その姿を親が見たり、ファンが一緒に喜んでくれたりしたんです。その喜ぶ姿を見て私はアイドルとしてここがゴールだなと思ったのでSKEを辞めました。

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――もともと憧れていたアイドルはいなかったんですか?

磯原:全然いなかったです。

――女優は誰に憧れていましたか?

磯原:いまは江口のりこさんや木村佳乃さんや長澤まさみさんですが、当時は特別な誰かではなく、とにかくお芝居をしている人が憧れでした。その中でも深田恭子さんが出ている『リモート』というドラマがあったんですけど、そのドラマを観て一番最初にお芝居がしたいと思いました。

――SKEの活動期間中、一番思い出に残っていることはなんですか?

磯原:やっぱり総選挙です。初めてランクインした時は本当に嬉しかったです。それまでは前の方で歌うことは全くなかったんです。

 でも、総選挙でファンが押し上げてくれて、みなさんに知ってもらえたからこそチャンスが回ってきたので、総選挙はかなり大きな出来事でした。最初は58位に入れてもらえたんです。

――グループ全体だと当時は何人いたんですか?

磯原:300人近くはいました。そこから風向きも変わりました。

――ランクインしてからは周りの接し方も変わりましたか?

磯原:ロングヘアだったんですけど、その頃、髪の毛を切ってショートカットにして注目を浴びるようになったんです。そこで知った方も多くて、それに加え総選挙でランクインしたこともあり、いろんな人に知ってもらえました。

――それから女優への道は開けましたか?

磯原:まだ全然開けませんでした。アイドルの中でも選抜に到達できていなかったので、まずはそこが目標でした。

――でも、総選挙でランキングに入った時は、ファンも両親も喜んだんじゃないですか?

磯原:選抜に入って歌番組に出たら、両親もいろんな人に宣伝してくれましたし、遠方に住んでいるおばあちゃんも全国放送を観て、「これはうちの孫だよって」いろんな人に言ってくれて喜んでくれました。

――あと、過去に自分で長所を語った時に「来る者は拒まず」と言っていたんですけど、面白い長所ですね。

磯原:基本的に冷たい感じに見られるので「話しかけづらい」って言われるんです。実年齢よりも上に見られて、落ち着いている雰囲気に感じられるんです。

――そんなイメージは全くなくて気さくですよ。

磯原:そんななか話しかけてくれる人は貴重だなと思っているんです。舞台でも初対面の方から「最初は話しかけてはいけない方かと思ったんですけど、話したらすごく明るい人でよかった」と言われるので、私のところに来てくれる人は嬉しいんです。

――そう言う意味で「来る者は拒まず」なんですね。そこからは仲良くなるんですか?

磯原:仲良くなります。

――女優としても成長著しくて、今回は映画『超伝合体ゴッドヒコザ』に出演しましたが、映画出演は初めてですか?

磯原:映画は3本目ですが、ここまでメインで出させていただくのは初めてだったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。

――しかも、地元の愛知県が舞台です。今回舞台となった愛知県幸田町はどういう町ですか?

磯原:私もこの映画で幸田町に初めて行ったんですけど、町の人がすごくウェルカムで迎えてくださりました。愛知県の人は仲間意識が強くて、地元の人がいるとすごい仲間だと思ってくれるんです。だから、すごく温かくて親切にしていただきました。とにかく優しい方々の印象でした。

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――そもそも幸田町が舞台なのはどうしてですか?

磯原:河原実監督と今回の製作総指揮の方が出会ったことから映画製作が始まり、製作総指揮の方が幸田町にゆかりがある方なんです。

――河原監督の存在はご存じでしたか?

磯原:変わった映画を撮る監督と存じていました(笑)。私と同じ事務所の浅野杏奈ちゃんが河崎監督の『メグ ライオン』という映画に出ていたんです。それも変身ものなので、河原監督はそのイメージです。

――今回は舞台や映画で活躍している八神蓮さんやモノマネ芸人で活躍している沙羅さんなど個性豊かなメンバーが出ていますが共演するのは初めてでしたか?

磯原:みなさん初めてでした。沙羅さんは撮影現場でもめちゃくちゃモノマネをしてくださって盛り上げてくれました。

――和気あいあいとしていましたか?

磯原:はい、一台のロケバスで移動することが多かったので一気に仲良くなりました。

――八神さんも沙羅さんも愛知県出身なので、「愛知県あるある話」はしましたか?

磯原:沙羅さんは愛知県のいいところの学校に通っていたので、「さすが純金だな」って話になりました。

――「純金」とはどういうことですか?

磯原:名古屋に「金城学院」というお嬢様学校があるんですけど、その学校は中学から入ると「純金」と呼ばれるんです。

――まさに地元しか分からないネタです。

磯原:そのことを話したり、あとはスガキヤラーメンの話をして、愛知出身でないヘアメイクさんにスガキヤを勧めたり、地元名物話をしました。

――愛知県は八丁味噌のイメージがあります。

磯原:私は特に大好きです。自分でも三河の味噌を取り寄せるくらい地元の味噌が好きです。

――地元出身の芸能人が集まり、地元で映画を作れるなんて夢のような話ですね。今回の作品はどのような内容ですか?

磯原:戦いなんです(笑)。

――ざっくりきました(笑)。名古屋のシンボルである金のしゃちほこが正義のゴッドヒコザの敵役とはすごい設定ですよね。

磯原:三河と尾張はバチバチしているんです。

――愛知県はそういう歴史観があるんですか?

磯原:そうなんです。もともと信長公側(尾張)と家康公側(三河)の歴史があるんです。出身地を聞かれると、三河側の人は「愛知」って言うんですけど、尾張側の人は「名古屋」って言うんです。

――ゴッドヒコザ=大久保彦左衛門は三河出身だから、尾張側のしゃちほこは敵なんですね(笑)。その大久保彦左衛門の子孫役が八神さんですね。

磯原:こけしを発見して、400年前の因縁が再びよみがえります。

――その中で磯原さんは超宇宙科学研究所の研究員役ですか。メガネをかけていますが、実際に目が悪いんですよね?

磯原:もともと目が悪くて、映画でもメガネキャラとしてやらせていただきました。歴史オタクの役でもあるので、いい役をいただけました。

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円陣を組むメガネとヘルメットの磯原杏華(右端)

――普段、メガネはかけているんですか?

磯原:普段もメガネをかけています。

――実際に歴史は好きですか?

磯原:歴史は好きなので映画の部分も勉強しました。

――どういう性格の子を演じましたか?

磯原:すごくおとなしくて消極的なんですけど、自分が好きなものに対しては一途なんです。研究所の芳樹さん(南翔太)を好きになるんですけど、芳樹さんのために頑張る健気な女の子でした。

――実際の性格に似ていますか?

磯原:私も今はお芝居がやりたくて、そっちのことばかり考えていますので、まっすぐ夢中になるところは似ているのかなと思います。

――共演した八神さんはどんな方でしたか?

磯原:八神さんが演じた大久保忠雄は天然っぽい役だったんですけど、それを素でやっているんじゃないかと思うくらいナチュラルな方でした。周りに気を配る方ですごく真摯な方でした。

――素晴らしい方ですね。一方の沙羅さんは役者経験があるんですか?

磯原:初めての経験なので、「迷惑をかけたらごめんなさい」ってすごく謙虚でした。でも、芝居をしたら沙羅さんがしゃべるだけで撮影現場が明るくなるくらい癒してくれましたし、監督も沙羅さんのモノマネが気に入って、ことあるごとにモノマネをふっていたので、めちゃくちゃ明るい方でした。

――撮影現場のムードメーカーですか?

磯原:ムードメーカーでした。

――南さんはどういう方でしたか?

磯原:もともとウルトラマンシリーズに出ていた方でしたし、河崎監督の作品にも出ていたので、河崎監督の撮り方を教えてくれました。

――熟知していましたか?

磯原:はい、「こういうスピードで撮影が進んでいくから」とかいろいろと教えてくれました。河崎監督は撮るのがめちゃくちゃ早いんです。だいたい一発OKくらいのスピードで進んでいくので、その経験がない私はついていけるか不安があったんです。でも、南さんが教えてくれたのでついていけました。

――撮影は何日くらいかかったんですか?

磯原:1週間くらいでした。お昼前に終わることもあって、「こんな時間に終わっていいんですか?」って思いました。

――そういう時にはどう過ごしましたか?

磯原:みんなでご飯を食べたり、幸田町の方が作ってくれる料理を食べたりしました。

――これを機会に幸田町も盛り上がってほしいですか?

磯原:みなさんすごくいい方だったので、本当に盛り上がって欲しいです。この前、完成披露試写会を幸田町でやった時にもみなさんが楽しんでくれて、地元の方も出演しているので、スクリーンに映るたびに沸いていました。それを見て映画っていいなと思いました。

――その様子がYouTubeにアップされていますが、すごくいい雰囲気でした。

磯原:出演しているイジリー岡田さんも「カメラで撮るんでしょ? MCをやるからみんなのことを撮りなよ」って協力してくださりありがたかったです。

――この映画でいい経験をしましたか?

磯原:本当に楽しかったです。

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映画『超伝合体ゴッドヒコザ』

――全編見どころですが、ズバリここを見てほしいという場面はありますか?

磯原:「映画でこんなシーンが入るんだ!」っていうシーンが入るので、それを込みで楽しんでいただきたいですし、幸田町自体がALSの支援もしている一面も描かれているので、ただのおバカ映画じゃないんだぞって楽しんでいただきたいです。

――上映映画館で舞台挨拶はありますか?

磯原:8月20日に渋谷と池袋の劇場でありますので、ぜひ来てください。すごく楽しみにしています。ゴッドヒコザたちも出てきてくれると思います。

――今後、磯原さんはモデルや女優での活躍が期待できますが、出たい映画はありますか?

磯原:いまはとにかくいろんな映画に出たいです。どんな役柄、どんな映画にも出たいです!

――その意気込みで今後も頑張ってください。では、読者へメッセージをお願いします。

磯原:メインで出させていただき、貴重な経験をしました。しかも、幸田町の方にもすごくよくしていただいたので、この作品を通して幸田町のよさを知っていただき、映画を観て笑える経験をしていただきたいので、何も考えずに楽しんでいただきたいです。

 この作品は合体ロボが好きな人にも刺さりますし、こんなラブコメが令和の時代に観られるんだっていうシーンもあるので、ラブの方にも注目して観てください! 思う存分、劇場で楽しんでください! 

(インタビュー・写真=KKフォトグラフ/Twitter@KKphotograph

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