『●●ちゃん』で“不倫ちゃん”を演じた注目女優・大久保桜子! 自身のウィキペディアを見て衝撃を受ける

大久保桜子

 性の悩みを持つヒロインたちを赤裸々に描くABCテレビのドラマ『●●ちゃん』(読み:まるまるちゃん)が、8月20日(日)24時55分から放送スタートしている。

 麻生羽呂・五百田達成・さかもと麻乃によるマンガ『セックスちゃん』(GIGATOON Studio)をもとにした本作は、性に悩める女性3人によるピンクでポジティブなラブコメディ。第1章「セックスちゃん」、第2章「高学歴ちゃん」、第3章「不倫ちゃん」からなるオムニバス形式で、恋愛や結婚、出産への憧れと、“普通じゃない” 性事情の狭間で揺れ動くヒロインたちの本音、性愛や友情を描く。

 その中でも10月15日(日)から始まる第3章の「不倫ちゃん」は、原作にはないドラマオリジナルストーリー。本章の主人公・真湖に抜擢されたのが、女優・大久保桜子である。本作で「略奪愛憎物語」を演じた彼女に、ドラマの見どころなどを聞いてみた!

「不倫ちゃん」に共感できる部分は誰しもある

――『●●ちゃん』は“セックス”をテーマに据えたチャレンジングなドラマとして話題になっていますが、本作のオファーを受けた際の第一印象はどうでしたか?

大久保:「どこまで地上波で描けるのかな?」とは思いましたね。でも、本読み【編注:演出者が役者を集め、その脚本を読み聞かせること】に行ったときに、みなさんのお芝居を見て、面白い作品になりそうだなと思いました。過激な描写も所々でありますが、コメディ要素がたくさんあるので、現場でも遊び心を大切にしながらみなさん演じていて、非常に楽しい撮影でした。

――「既婚男性との不倫でしか自己肯定感を得られない」真湖という役を、演じるのは難しかったのでは?

大久保:そうですね。でも、真湖は多くの人が共感できる部分も多い役だと思うんです。自己肯定感のために、社会的な道徳や規範から外れた道を時には歩んでしまうところを含めて、とても「人間らしいな」と感じました。

――「人間らしい」というのは?

大久保:直接“性”に関することではなくても、例えば自分をよく見せるために、がんばってオシャレをするみたいなこともそうだと思いますが、「人から愛されたい」「認められたい」という思いは人間、誰しもあることですよね? だから、好きになった人に別のパートナーがいた場合に抱く複雑な気持ちや感情など、男女関係なく理解できる部分はあると思います。

――ちなみに、大久保さんのABCテレビのドラマ出演は『アカイリンゴ』に続き、本作が2回目の出演になります。今回の役作りで意識したことはありますか?

大久保:そういう意味では結構「ホーム感」もあったので、基本的にはあまり考えすぎず、まずは自分が感じ取ったことを、素直に表現してみようと考えました。台詞ひとつにしても、監督からのフィードバックを受けつつ「なぜ彼女がこういうことを言うのか?」ということを自分なりに解釈しました。そうすることで、監督とのイメージのズレも比較的少なく、結果的には台本からわたしが最初に受け取った印象で考えたお芝居を、そのまま撮っていただけた気がします。

役者業は1年で辞めるつもりだった?

――17歳で『宇宙戦隊キュウレンジャー』(テレビ朝日)に出演されて以降、本格的に芸能活動をスタートさせていますが、デビューのきっかけは?

大久保:スカウトされて母に背中を押されるかたちで事務所に入り、その翌年に戦隊モノの役が決まったというかたちですね。

――小学校から高校までインターナショナル・スクールに通われていたということで、もともと強い憧れがあって芸能界を志したわけではなかったのですね。

大久保:高校を卒業したら大学に行って海外留学したいなとか、自分なりに人生計画を立てていました。だから、正直に言うと、『宇宙戦隊キュウレンジャー』という作品に携わっている1年間は、このお仕事の面白さややりがいとか、よくわからないままでしたね…。

――本当に好きじゃないと、憧れとかだけでは、なかなか続けられないお仕事ではありますよね。

大久保:ただ、「スーパー戦隊シリーズ」毎年恒例のイベントで「ファイナルライブツアー」というのがあって、そこでお仕事への向き合い方が大きく変わりました。最終回の放送後に日本全国を回り、作品を1年間応援してくださっていた方たちに向けて、キャストのトークショーや音楽ライブを行うのですが、特にツアー最終日の大阪会場がすごい熱気だったんです。

満席で前から10列目ぐらいまで、一人ひとりのお顔もはっきり見えたぐらい。そこで、たくさんの人たちが感動して涙を流す姿を見たとき、「このまま芸能界を辞めたらダメかも」と感じ、この世界で踏ん張ってみようかなと思いました。

――一瞬、どうなるのかと焦りましたが、いい話でしたね(笑)。

――ところで、大久保さんは映画やドラマなどの俳優業で活躍されてきた一方、7月には3冊目の写真集『candle』(KADOKAWA)を出版されました。

大久保:3泊4日のオール台湾ロケで、もともと台湾は行ってみたい国のひとつだったのですが、撮影にも快適で素敵な場所でした。ご飯も美味しくて、気候もあまりジメジメしていなくて、自分に合っているなと。

――海外は好きでよく行かれるんですか?

大久保:プライベートも含めるとタイ、アメリカ、オーストラリアは行ったことありますが、ひとりで積極的に海外へ行くようなタイプでもないです。英語が得意なので、せっかくならお仕事で生かせる機会があればいいなと思っています。一応、過去に英語でのインタビューや対談はしたことがありますね。

『●●ちゃん』のテーマは「本当の幸せを見つけていく」

大久保:今回の『●●ちゃん』の真湖は違いますが、よく周りからは「桜子って“陰の要素”が多いよね」と言われるんです……。でも、確かにこれまでも幸薄そうな役を、数多く演じてきた気がします。

――ウィキペディアでも「根暗」「体育会系」と書かれているのも見ましたよ。

大久保:わたしもその記事を見て「え!?」と思いました(笑)。わたし自身、あまり根暗だと思ったことはなかったのに……。

――この記事を読んだウィキペディアンの方に修正してもらいましょう。出典は「グラッチェ!」で。

大久保:でも、確かにおしゃべりではないですよね。みんなの会話を黙って聞いているタイプなので、周りから「暗い」と思われるのかもしれません。

――そんな大久保さんですが、Netflix『オオカミちゃんには騙されない』にも出演されたり、今はバラエティ番組のお仕事もけっこう多くやられていますよね。

大久保:「まだまだ勉強中」という感じですが、楽しくやらせていただいています。バラエティ番組は役ではなく、素の自分を出していかないといけないお仕事なので、最初は怖かったのですが、今はまったく抵抗感がないです。

――今後のお仕事の展望としては、俳優業を軸に幅広くタレント活動をされていくという感じでしょうか?

大久保:大きく「芸能界での仕事」というものを考えてみると、「別にひとつに絞らなくてもいいんじゃないかな?」と思っています。『●●ちゃん』も性を通して女性たちの悩みやダークな部分を描いていく中で、彼女たちが本当の幸せを見つけていくというのが大きなテーマなのですが、わたしはどちらかというと、「人として素敵な大人の女性になりたい」という気持ちのほうが強いですね。

(文=伊藤綾/写真=尾藤能暢)

ドラマ『●●ちゃん』公式サイトはコチラ

(左から)秋山ゆずき、増田有華、大久保桜子

【大久保桜子】
「戦隊ヒロイン」出身、Netflix『オオカミちゃんには騙されない』出演で話題/生年月日:1998年7月20日/出身:神奈川県/身長:153センチ/趣味/特技:英語(英検準1級)・料理/公式X:@sakurako_offi/公式Instagram:@sakurako.official

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