映画『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』公開記念
女忍者・宮原華音を直撃!
「スピルバーグも驚く怒涛の死闘」をキャッチコピーに掲げた国産鮫映画の最新作『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』が4月14日から公開される。
監督は数多くの特撮ヒーローを世に送り出した坂本浩一が務め、ダブル主演に平野宏周、西銘駿、さらにヒロインには長野じゅりあ、そして、女忍者には宮原華音という最強布陣を組んだ話題作だ。
今回は女忍者の菊魔役を演じ、激しいアクションシーンを見せ、またキックボクシングデビューも控え、俳優とファイターの両輪で大注目されている宮原華音ちゃんに、芸能界入りのきっかけや、今作の撮影秘話、見どころなどをたっぷりと聞いてきた!
【宮原華音(みやはら・かのん)】
1996年4月8日生まれ。東京都出身。日本体育大学卒業。三愛水着イメージガールに中学生として選出されデビュー。現在も続けている空手では全国大会で優勝するなど、高い身体能力を持つ。その特技を生かし映画『ハイキック・エンジェルス』や舞台「BLOOD-C」等で主演を務め、アクション女優として活躍。空手では3年連続全国大会優勝、黒帯。
公式Twitter:https://twitter.com/miyahara_kanon
公式Instagram:https://www.instagram.com/miyahara_kanon/
宮原華音インタビュー
――空手をやっていたそうですが始めたきっかけはなんですか?
宮原華音(以下、宮原):一人っ子のため精神的に強くなり、礼儀をちゃんとしてほしいということで両親からすすめられました。最初に入った道場には小学校の友達が行っていたので遊びの延長線上でしたけど、いつの間にか全国大会を目指すようになりました。
――全国大会出場は型ですか? 組手ですか?
宮原:組手です。高校生くらいまではプロテクターを着けるんですけど、体に蹴りや突きが当たることはあります。
――全国大会での成績は?
宮原:全国大会で優勝しました。
――それはすごいですね!
宮原:小学校4、5、6年生で優勝して、5年生の時には全日本空手道連盟で優勝しました。
――東京オリンピックで空手が競技に採用された時は目指そうとは思いませんでしたか?
宮原:私が現役なら目標にしていたかもしれないですけど、小中高の時はオリンピックに空手が採用されていなかったので、芸能の方にシフトチェンジしました。
――三愛水着イメージガールに選ばれたのは何歳の時でしたか?
宮原:15歳の時になりました。
――どういう流れで芸能界入りしたんですか?
宮原:小学生の時から身長が高いので、周りの人から「モデルになりなよ」って言われていたんです。それで、私自身も「身長が高いとモデルになれるんだ」とざっくりとした考えがあり読者モデルをやっていたんです。そうしたら撮影が楽しくていろんなオーディションを受けたんですけど、全然受からなかったり、最終審査までは残ったりを繰り返していたんです。
でも、諦めきれず、母と一緒にオーディション雑誌を見ていて、「この三愛のオーディションを受けてダメだったら芸能界は諦めよう」と言っていたら受かったんです。
――最終的に一番メジャーなオーディションに受かりましたね。
宮原:そうなんです(笑)。そこで本格的に芸能界入りしました。
――現在は身長が170センチですが、当時は何センチでしたか?
宮原:15歳の時に168センチありました。
――それだけスタイルがいいと目立ちましたか?
宮原:どこに行っても、ずば抜けて大きかったので目立ちましたね(笑)。
――空手も制してオーディションも制してすごいですね。
宮原:でも、空手は職業としてはできないので、モデルの道を選びました。
――15歳で水着姿を世の中に見せるのは抵抗がなかったですか?
宮原:空手をやっている時から男性社会で育ってきたので、どこでも着替えられないといけないという考えだったんです。試合のことで頭がいっぱいなので見られている意識はないんです。そういう経験があるので水着姿にはあまり抵抗がなかったです。あとセクシーな格好をするというよりも、三愛なので水着姿をきれいに見せるモデルのイメージでした。
――その後はどういう活動をしてきましたか?
宮原:『ハイキックエンジェルス』という映画に誘われてアクションの道に入りました。先に上映されていた『ハイキック・ガール!』を見て、ツイッターに「武田梨奈さんがかっこいい」と書いたら西冬彦監督から「うちで練習してみない?」とツイッター上で返信があったんです。それで事務所からOKをもらい練習に行ったら、監督から「次の映画の主役はお前にするから」って言われたんです。
――とんとん拍子で物事が進みますね。
宮原:でも、主役と言われてこんがらがるし、映画に出るってこともこんがらがったんです。その時はモデル以外の職業にあまり興味がなかったんです。監督から「やる気があるか?」と聞かれたので、「はい、やらせてください」と言ったんですけど、いざ俳優の道に入ったら大変でした。
――モデルはセリフや動きがないですからね。
宮原:体を動かすことは得意なんですけど、人前でしゃべることは苦手だったので、セリフはどうやって覚えればいんだろうというところから始まりました。しかも、「棒読みだ」と言われても、どうして棒読みになるのかさえも分からないんです。ブルース・リーさんやジャッキー・チェンさんが大好きだったので、監督からDVDを20本くらい渡されて、昔の映画から最近の映画まで全部見ました。
――酔拳や木人拳も見ましたか?
宮原:はい、見ました。「酔拳をやってみろ」と言われたんですけど、お酒を飲んだことがないから、酔っぱらうってどういうことって想像できなったですね(笑)。
――それまではどういうドラマや映画を見ていたんですか?
宮原:『ごくせん』が大好きでヤンクミ(仲間由紀恵が演じる熱血教師)になりたいと思っていたんです。役作りのためにドラマや映画を見ることは全然していなくて、『ハイキックエンジェルス』のために映画を見ろと言われ見ていたんです。
他のドラマもただ見ていただけで、『仮面ライダー』に出てから、役作りのために自分にない感情はそういうところから勉強するんだ、話題作はどうして話題なんだろうと意識して見るようになりました。
――憧れの俳優もいなかったんですか?
宮原:冨永愛さんや同世代の雑誌モデルが好きだったし、ランウェイを歩くのが夢だったので、憧れている俳優さんはずっといませんでした。だから、憧れのモデルさんが芝居をしていても、そこに憧れることはなかったんです。
――珍しいタイプかもしれませんね。
宮原:テレビの中よりも雑誌の中に憧れていました。当時は雑誌の表紙を飾るのが夢でした。
――それはストイックな性格に由来するんですか?
宮原:空手の優勝を目指したのと同じで、モデルの中の優勝は表紙だったんです。当時は「モデル=高身長」が有利と思っていて、表情やポージングがあることを知らなかったんです。だから、「あの子よりも身長が大きいのに、どうして表紙になれないんだ」ってずっと悶々としていましたけど、映画でアクションを経験して自分の居場所はこっちだと思いました。
――アクションが楽しくなった瞬間があったんですか?
宮原:芝居は分からなくて辛くて心が折れそうになるんですけど、アクションは出来なくても、「頑張ろう! 楽しい!」と前向きになれるんです。当時はセリフがなくてもいいからアクションだけをやりたいと思っていたこともありました。
――芝居が本来の目的ですからね(笑)。
宮原:アクションはNGを出しても、痛くても楽しいんです。『ハイキックエンジェルス』の時は足首を骨折したんですけど、「骨折しているからなんだ」って思っていました。元々、空手の試合も「骨折しているからなんだ」って感じなので、自分では大変だとは思わなかったんです。そこから空手に近いことは好きなんだなって思い、いまでも続けています。
――そこで今回の『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』出演に繋がるんですが、内容は鮫、忍者、人間ドラマなど盛りだくさんに描かれています。今回は平野宏周さん、西銘駿さん、長野じゅりあさんなど錚々たるメンバーの中に入りどうでしたか?
宮原:平野さんは共演したこともあるし、じゅりあちゃんは空手でも知っていて、プライベートでも会う仲なので、この撮影現場は楽しそうだなと思いました。あと坂本浩一監督ということはアクションを求められているんだと思いワクワクし、早く撮影したいなと思っていました。実際にもっと撮影をしたかったし、もっと出番をくれと思っていました(笑)。
――設定が江戸時代ですが時代劇は初めてですか?
宮原:以前も坂本監督の『BLACKFOX: Age of the Ninja』というアクション時代劇に出たことがあるんですけど、どちらもガチガチの時代劇ではないんです。特にここは時代劇っぽく頑張りましたということはなく、今回は菊魔の気持ちを優先して演じました。
――血のスプラッシュがすごかったんですが大変でしたか?
宮原:相手の血を浴びないようにと言われました。撮影中に血がかかるとメイクや衣装の繋がりがなくなるのでよけていたんです。
――楽しかったことはありますか?
宮原:坂本監督の現場が大好きなんです。撮影はみんなで高めあって挑むので、シリアスシーンもアクションシーンも悲しいシーンも、全て楽しみながら撮影ができました。
――厳しい指導はありましたか?
宮原:厳しいことはなかったです。だから、NGがあっても、「ああ、どうしよう」ではなくて、「もう一回やろう! 次はこうしてみよう」という気持ちになるんです。大変なんですけど、今回のアクションは感情移入が優先だと思って演じました。
――人間ドラマもありましたが、ダブル主演の平野さんはどういう方でしたか?
宮原:平野さんはウルトラマンで共演しているので面白い方だなと思っていたんです。今回も話しやすくて、受け入れ態勢が抜群で壁を作らない人なんです。空き時間も一緒にいやすいし、プライベートの話も芝居の話もアクションの話もしやすくて、すごい昔から知っている人の感じがしました。
――もう一人の主演である西銘さんはどういう方でしたか?
宮原:初めてお仕事をさせてもらったんですけど、今回は芝居であまり関わっていないんです。撮影現場ではあまり話す機会がなかったんですけど、完成披露試写会でお会いしたら、こんなに面白い人だったんだと思いました。だから、撮影現場でもっとお話をしたかったです。
――先ほどプライベートでも仲がいいと言っていた長野さんと共演しましたが、撮影ではどうでしたか?
宮原:お互いにずっと一緒に仕事をしたいと言っていたんです。でも、今回は戦えると思っていたんですけど、そのシーンがなくて残念だったので、今後、戦うシーンをやりたいです。じゅりあちゃんが撮影現場にいたからリラックス出来た部分はあったし、じゅりあちゃんがこれだけ体を張っているから、もっと頑張らないとという思いもありましたし、いい姿を見せてもらいました。
――切磋琢磨した感じですか?
宮原:そうですね。
――殺陣は上手く演じられましたか?
宮原:平野さんがどんと構えてくれたので信用して全力で行けました。
――殺陣の動きはその場でつけるんですか?
宮原:全部その場です。
――それはすごいですね。
宮原:アクションの練習はあるんですけど、その日につけるんです。わりと殺陣は覚えるのが早いんです。
――その殺陣はもちろんですけど、今作の見どころはどこですか?
宮原:一回では分からない内容かもしれないんですけど、何回も見てほしいんです。私が演じた菊魔の気持ちにもなってもらいたいし、主役のお二人の気持ちになってもらいたいし、今日はこのキャラクターを中心に見ようと何度も見ると、また違う映画を見ている気分になれると思うので、テーマパークに何度も行く気持ちで、この映画も何度も見に行ってほしいです。
――タイトルだけだと人間VS鮫映画と思うんですが、人間ドラマがしっかりと描かれていますよね。
宮原:そうなんです。各々の人間模様があるので、そこも楽しんでほしいです。
――どんどん俳優としてのキャリアを積んでいますが、今後やってみたい役はありますか?
宮原:アクションがない芝居をしたことがないので、アクションがなくても自分を活かせる芝居や、恋愛や普通のOLやお母さん役など得意ではないジャンルの芝居もしたいです。
――恋愛は得意ではないですか?
宮原:挑戦したい気持ちがあるんですけど、むずがゆくて、相当苦労しそうです(笑)。
――照れちゃいますか?
宮原:照れちゃうというか、例えば高校生の時、制服でデートをしたことがないし、人より恋愛経験が少ないんです。
――そんなに美しいのに奥手なんですか?
宮原:空手部は恋愛禁止で男性は敵だと思っていたんです。
――それは厳しいですね。
宮原:それを破ったら罰が待っているんです。人を好きになったことも、もちろんありますけど夢中になったり、好きすぎて悩んで泣く経験がないんです。だから、恋愛作品が決まったら、いろんな恋愛ドラマや映画を見漁ります。
――経験ではなく、見るんですか?
宮原:その時だけは格闘技も見ないし、やらないで恋愛を研究したいと思います。
――研究ではなく、恋愛してください(笑)。
宮原:しっかりしたいと思います(笑)。
――あと、キックボクシングのRISEに出場しますが、チャンピオンを目指していますか?
宮原:いまは4月21日の試合だけしか考えていないです。次の試合を考えたら勝てないので、まずは今回の対戦を受けてくれた選手に対して失礼のないように全力で戦います。
――頑張ってください。では、俳優、格闘技を含め多くのファンがいますので、メッセージをお願いします。
宮原:まずはこの映画を何度も楽しんでください。この映画を通して宮原華音という人物に興味を持ち、他の活動も応援してくれたら嬉しいです。基本は俳優ですが、格闘技も本気でやっていますので、どちらの活動も見ていただけたら嬉しいです。
今回の映画を見て、キックボクシングの試合を見てくださるのもいいですし、試合を見てから、またさらに映画を見てくれると楽しめると思います。私の活動を全て楽しみながら応援していただきたいです。
【インタビュー・撮影=笠井浩司(KKフォトグラフ)Web:https://www.kkphotograph.co/ Twitter:https://twitter.com/KKphotograph】