【グラドル朗読】森のんの、幸福の美学『ナマケモノのように生きたい』を読む

森のんの朗読グラビア

 グラビアアイドルが気になる本を朗読するグラッチェ動画コーナー『グラドク』。今回は抜群のプロポーションで人気急上昇中の新人グラドル・森のんのちゃんにジンミニョンさんの『ナマケモノのように生きたい』(あさ出版)を読んでもらった。

 人生で大切なものは何か…そんなことに気づけそうな作品だ。※朗読内容は『ナマケモノのように生きたい』からの抜粋となります。

ナマケモノのように生きたい

 時には怠けたい、ではない。「ナマケモノ」のように生きたいのだ。

 本書の作者であるジンミニョンさんは力強い筆跡で己の人生哲学を語る。

時間に追われて息を切らしながら移動することも、足早で歩くことも好きではない。足が痛くなる靴も、両手を塞ぐ荷物も、1分1秒を争う焦燥感も嫌いだ。

 たまには忙しく汗を流すことがあってもいいのではないか。駈け足で、無我夢中で走った後には爽快な気分になれるのではないか。足が痛くなっても履きたい靴があり、両手で抱えきれないほどのパンを買いたいときもある。1分1秒を争って競り勝つことができた時には快感もあるだろう。

 どうやら私はジンミニョンさんとは別次元で生きているのかもしれない。ナマケモノではなく、鳥のように生きたいと願うタイプなのだ。

 しかし、ジンミニョンさんの考え方には非常に共感できた。そのワケを僭越ながら自己分析したいと思う。

 本書『ナマケモノのように生きたい』は、いわゆる断捨離本だ。

 異国の地で図らずもミニマリストとしての生活を過ごしたジンミニョンさんは、その時間が「今までで一番豊かで優雅だった」ことに気づく。それからジンミニョンさんは本格的にミニマリズムを学び、人生をどんどん豊かにしていく――。

 ジンミニョンさんにとって、もっとも大切なものは何か。それは「時間」だ。

 時は金なり、ではない。ジンミニョンさんにとって時間はお金よりも大事なもの。だから何よりも自分の過ごす「時間」を大切にする。その時間を豊かに過ごし、幸せに生きることが「この世を生きる理由」なのだ。

 ジンミニョンさんにとっての幸せとは何か。

毎日幸せでいることは簡単ではないけれど、自分に与えられた時間をじっくりと意識して生きてみると、ふと幸せを感じることができる。

 それからこう断言する。

お金を稼がなくても、充分幸せでいられる。

 ジンミニョンさんの言葉は、きれいごとのように聞こえるかもしれないが、とにかく鮮烈で新鮮だ。それはジンミニョンさんが心の底から自分の生き方に自信と信念を持っているからだろう。

 哲学者のアランは人が感じる幸福のことを「困難に向かって努力する途中で感じる心の状態」と定義している。自らが掲げた目標に対してひたむきに邁進しているときに感じる“あの充足感”こそが幸福なのだ。

 だが、世の中には目標を想定すること自体が難しいという人も少なくないだろう。そんな人にとって「幸せ」を探すことは、そもそも無いものを探しているようなもの。それは途方もない徒労を繰り返しているのと同じだ。

 ジンミニョンさんは「ナマケモノのように生きたい」と自分の人生の理想を語る。もちろん、「ナマケモノ」とは比喩で、そこには「息をするようにゆったり」と生きるという意味が込められている。

 それを実現させるために役立ったのが、ミニマリズムという生き方だったのだ。

 ミニマリズムを実践した彼女は、自分の「幸せ」が何かを発見することができた。それは、「肉体と精神の成長」「魂の自由」「社会への貢献」「創造的な仕事」「本と音楽」「穏やかな時間」…。

幸せを具体的に定義付けることができる人は、道を失ったりしない。

 自分の幸せを知っているジンミニョンさんは、迷うことなく突き進める。その歩みは力強く、幸福に満ちている。だからこそ、彼女の筆跡はパワフルで心に響く。

 冒頭、私はジンミニョンさんと別次元で生きているかもしれないと書いた。だが、実は私も自分の幸福が何かを明確に定義している。だから、毎日が充実しており、幸福に満ちている。

 私の定義する幸福が何かを記す必要はないと思うが、ジンミニョンさんの言葉にはとても共感できる部分があった。それは、人生や幸福に対する考え方の根幹が共通しているからではないだろうか。

 ジンミニョンさんはミニマリズムという思想によって人生を発見したが、それを私は座禅によって成したと思っている。もしかしたら、ミニマリズムと座禅には似たような効果があるのかもしれない。

(文=グラッチェ編集部)

ジンミニョン『ナマケモノのように生きたい』(あさ出版)

ジンミニョン
韓国のミニマリストでエッセイスト。 簡素な生活に魅力を感じて、所有物を80%以上削減し、ミニマリズムがもたらした良いことをブログに記録しはじめたことで、韓国で人気のブロガーとなる。生活を簡素化するとともに、不足、孤独、静寂、暗闇、空虚、沈黙、絶食を美化し、独特の視点で読み取った世界の移り変わりを文に綴っている。

【今回のグラドク美女・森のんの】

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